縄文のある風景

古里の四季折々に、ゆったりと流れていたであろう「縄文」に思いを重ねて

「上五島のむかしのくらしと道具展」

 於:鯨賓館ミュージアム(有川)

 買い物ついでに立ち寄りました。

 懐かしの道具に、子供の頃の情景がチラリと。今日は、我が家に存在していた物だけを掲載しましょう。

 先ずは、「千歯扱き(せんばこき)」と「唐箕(とうみ)」。

 千歯こきで脱穀した後、唐箕で籾殻・玄米・塵等に選別します。子供の頃の情景には、海岸で、麦を処理していた風景がありありと。尚、脱穀後の麦わらは、ご存じの様に、「編み物」として、重宝していました。不器用な私はグミ篭を編むのがやっとこさで、たま~に、不細工に仕上がった篭にグミを入れて遊んでいました。

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 次なるは、「縄綯機(なわないき)」。表玄関横の納屋みたいな部屋で、父方の祖母が、一日中、ガタコン・ガタコンと、ペダルを踏みながら縄を編んでいました。昔のロープ系と言えば、稲縄が主流でしたでしょうか。へ~と、面白がっていた記憶はあります。

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 今は畑を耕すのに耕耘機という便利な物が有ります(当家にも”pochi号”)。しかし、子供時代の当地、段々畑のみと言うこともあり、使役したのは牛、活用したのはご存じ「鋤(すき)」。父方の祖父が牛を使い、畑を耕していた光景は、未だに忘れていません。「あがんに、牛ば叩かんでも・・・」との思いと共に。ただ、道路新設や放棄畑化(草木の繁茂で識別不可)等で記憶にある畑の所在は掴めませんが。

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 カンコロ、と言えば、殆どの人が「カンコロ餅」を連想すると思います。

 実は、カンコロと言っても二種類有り、一つは、冬の風物詩として毎年このブログで取り上げている「カンコロ餅用」のカンコロと、おそらくは「家畜の飼料用」として作るカンコロの存在です。

 餅用を「皮剥きスライス茹で干しカンコロ」と表現するなら、飼料用はさしずめ「皮付きスライス干し芋カンコロ」とでも成りましょうか。

 現在では芋の生産量も激減し、飼料用は殆ど精算されていません。カンコロ餅用すら、生産が危ぶまれている状態です。

 先ずは、主に飼料用のカンコロ生産機。洗い芋をこの機械に入れ、取っ手を回転させることで、皮付きスライス芋ができあがります。この時、切る場所は「なだら」と呼ぶ、竹(現在は塩ビ管が主流か?)を使った干し場がベスト。「そがんに、早う切れば、屑になっじゃろが、ゆっくり回せ!」と怒られる、誰有ろう、紅顔の美少年”ワダス”がいます。夕暮れの中、いつも、やけくそで、取っ手を回していた様な記憶があります故。

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 茹でカンコロは、皮を剥いた後、この様なスライサーでスライスし、

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 大釜で茹で、「なだら」で乾燥させます。

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 最後は水汲み用桶。各家庭にあり、水道が普及していなかった時など、海岸縁まで下りていき、何度も何度も、水くみに頑張っていた亡母の姿が浮かびます。なお、この桶とは少し違いますが、「こえたご」と呼ぶ、糞尿を肥料として運ぶ際の”おけ”も有りましたが、割愛します。

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 リハディ金曜日故、叔父の元気な姿を。

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             では又